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 まろみのある胸を包み込んだ大きな手が蠢き、私を刺激する。  唇が降りて、私の胸の先端の果実を口に含み、舌先で弄ぶ。  すると、お腹の奥に熱が溜まり出し、鼻から抜ける甘い声が上がる。 「ん、はぁ……あぁんん」   「美緒、もっと、溶かしてあげるよ」    薄っすらと瞼を開くと、上目遣いの健治と視線が絡み。艶を含んだ瞳にときめいた。  健治の唇が胸からお腹へ移り、お臍の横に軽くキスを落とされ、くすぐったい。  やがて、悪戯な唇は、お臍の下で止まり、そこにもチュッとリップ音を立てた後、チリッと所有痕を残した。    さらに下に唇が移る。太ももの内側にキスをされ、私の薄い繁みをかき分けて花芯を啄む。強い刺激に声が上がり、シーツを強く握った。それでも熱を逃がし切れなくて、足のつま先にまでギュッと力を込めた。 「あぁ……だめぇ……」  私の反応を楽しむように、健治は私の敏感な部分を舌先で転がす。その甘く痺れるような刺激に、大きな声を上げて、達してしまった。  ハァハァと肩で息をして、まだ体の芯に熱が籠っている。  濡れそぼり、敏感になった私の中へ、健治のモノが徐々に忍び込んでくる。    「あっ、ダメ、まだ……むりぃ」    「美緒の中、すっげ、うねって気持ちいい」    「ふぁぁ」    「可愛いよ、美緒」  私の体の最奥まで届き、その熱に侵される。  健治には、私しかいないんだって思いたい。  健治に愛されているって信じたい。  体だけを繋げてもダメなのに……。  今は不安な気持ちを体の熱で溶かしたくて、健治と抱き合っている。  「健治……」  「ん……美緒、愛してる」  その言葉、噓じゃないよね。
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