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 お昼時の賑わう店内に足を踏み入れると、和成くんが笑顔で出迎えてくれた。相変わらずのイケメンがまぶしい。 「こんにちは、いつも仲が良いんですね」   「ふふっ。そうです」    里美は笑顔で返し、チラリと私に視線を送る。  なんだか含みがあるような眼付きで、気恥ずかしい感じがした。   「仲良しのお2人に申し訳ございませんが、あそこで男1人あぶれていて、可愛そうなので仲間に入れてあげてくれませんか?」  和成くんは冗談めかしてそんな事を言う。  お昼時の店内は既に混み合っていて、ランチタイムに一組でも多く入れて、利益につなげたいところだろう。  和成くんの示す先の4人席に1人で座っている三崎君との相席を快諾すると、席へ案内された。 「こんにちは、三崎先生。お邪魔します」   「こんにちは、2人とも仲が良いね」   「ふふっ、美緒先輩はあげませんよ」    鉄板ネタのように里美が返し、3人で笑う。 「美緒さん、だいぶ顔色が良くなったね」  と、三崎君に言われて土曜日の診察を思い出し、顔が熱くなる。  三崎君は、医師として接してくれたのに自分だけが変な意識をして恥ずかしくなる。  そんな事を誤魔化すように平静を装い話を続けた。 「おかげさまで、だいぶ良くなりました」   「検査結果、明後日だから、その日、午後イチでおいで」 
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