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嫌な事を忘れる……。  この何も生み出さない行為の先には、何もないはずなのに甘い言葉に溺れそう。  下半身に手が滑り込み太ももの内側を指先で探るようになぞられた。それだけなのに体がビクッと跳ね。ゾクリっと官能が走る。    ああ、ダメだ。溺れる。  職場の後輩とこんな事をしては、ダメなのに私を慰める人肌が心地良い。  今は健治の事を忘れたい。刹那的と言われてもいい。  内腿を撫でる手が下着の中に入り込んでくる。薄い茂みを掻き分け、花芯をくすぐられると、やがて、ソコが熱を持ち始めた。   「んっ……あぁ……」    撫でるような、少し押し込むような、柔らかい刺激に反応して、声が上がり蜜が湧き出してくる。クチャッと粘着質の水音が聞こえた。  頭がフワフワしている。  酩酊状態で上手く考えられない。 「せんぱい……いいでしょう?」  里美の甘い声が聞こえる。  女同士のセックスは、終わりの無い前戯のよう。  敏感な部分を舐められて、指で内側の熱い部分を擦られて、憐れの無い声を上げる。  やがて、絶頂まで導かれてしまう。でも、私の最奥まで満たす事はなかった。
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