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それ以上に彼にとって辛いのは抑制剤の支給がなくなることかもしれない、とドゥンさんは続けた。
「彼は純潔を守るために発情期を抑制剤でしっかりコントロールしていました。それがなくなるのは本人的にもしんどいんじゃないですかね」
一方、国王候補を諦めたアヴノに対する支持者の声は意外にも好意的だった。店のオーナーは「応援してなかったわけじゃないけどね、心配だったのよ、あの子が王になるなんて。店にずっと居てくれるならその方がハッピー」と言った。
「ところで、カゲキちゃんはもう普通の男の子なわけでしょ?アタシの店に来てもらおうかしら。お金も貰えなくなっちゃうらしいしね」
今回のことについて、唯一の国王候補となったチギにも話を聞いた。彼は「ちょっとまだ自分の気持ちがよくわからない」と言いつつも真摯に取材に応じてくれた。
「候補が僕だけになったってだけで、島に来るアルファが僕を選んでくれるかどうかはまだわからないんですよね?正直選ばれる自信はないけど、もし王になれたらやりたいことはあるから、頑張らないとな」
控えめだが責任感のある発言だった。
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