4 星降る夜を何度でも、君と

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 星夜祭のたびに告白に訪れるマイラ。  その姿は、琉人を置いてどんどん成長し……そして美しく、魅力的になっていった。  琉人の感覚ではたった二年だというのに、彼女はあっという間に大人になってしまった。  魔王を討伐してからの琉人が山奥へと籠ることにしたのは、他人との関わりを恐れたからだ。  だって、彼らは絶対に琉人を置いていってしまう。自分よりも早く成長して、大人になって、……そして老いてゆく。  仲間も友人も恋人も――やがて自分はその喪失に立ち会うことが、約束されているのだ。  大事な人ができたとしても、琉人はその人と同じ速度で人生を歩むことはできない。歩ませてはもらえない。  ……それが、怖かった。だから、人と関わることをやめた。 (それでもマイラが来ることを拒めなかったんだから……僕の覚悟も随分と中途半端だ)  定期的に琉人の元を訪れるマイラ。  いずれ彼女に恋人ができれば、自分のことも忘れてくれるだろう――それこそが琉人の願いだったはずなのに、その想いに偽りなんてないのに。  それでも変わらぬ好意を寄せてくれる彼女が会いに来てくれると、どうしようもなく心が震えた。  その告白を受け入れたい、彼女のことを抱き締めたいという狂おしいほどの衝動に駆られた。 (ひどいよ、マイラ……僕の心をここまで奪ったくせに、君は僕のことを置いていくんだろう)  今のままでも彼女を失うことを考えると十分すぎるほどに苦しいのに、この気持ちを育ててしまったら取り返しのつかないことになる。  そう思ったからこそ琉人はずっと、マイラの告白を断っていたのだ。
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