交渉

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 マルクもゼクスも龍魔石に関する特殊な仕事を与えられていた。使用人であるが、彼らはそれだけ特別な人間でもあるのだ。血筋と人柄と、そういったことを総合的に判断して仕事を決めていく。  マルクにエセルバードの件を伝えると、問題ないとのことだった。マルクが養子として引き取ったわけでもなく、仕事を与え、衣食住が手に入るように手助けしただけ。エセルバードが騎士を目指すのであれば、それはそれでよいのでは、というのがマルクの考えでもある。  マルクも人のよさから、本当に身寄りを亡くした子の世話を焼いていただけにすぎないのだ。  ラクシュリーナは、少し離れた長椅子で、サライアスとマルクの話を聞いていた。  彼らが談話室で話をしていると、ちょうどエセルバードが風呂を終えて姿を現した。身体もあたたまったのだろう。色の悪かった唇に血色も戻り、ほくほくと湯気が出ているようにも見える。 「あ、マ、マルクさん……」 「エセル。話はサライアス様から聞いた。お前が決めたのなら、それでいいんじゃないのか?」 「あ、ありがとうございます」
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