告白

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「そうですね。わたくしたちの結婚は外交や政治の一つ。お姉様の次はわたくしですね。ですが、お姉様がこの縁談に不満であるならば、わたくしが代わってもよろしいですよ?」  オーレリアを安心させるかのように、ラクシュリーナは微笑んだ。するとオーレリアも微笑み返す。だが、その笑みはどこか苦しそうにも見える。 「いいえ……それは、大丈夫よ。私がフレイムシアンに嫁ぐから。だけど、誰かに聞いてもらいたかったのかもしれない。お父様やお兄様には、このようなことを言えないでしょう?」 「お姉様には、好きな方がいらっしゃるのですか?」  その問いにオーレリアは「内緒」と答えた。その言葉で確信した。彼女には間違いなく想い人がいる。その気持ちを心の奥底にしまい込んで、フレイムシアンに嫁ぐのだ。  まだ、想い人のいないラクシュリーナのほうが、その役はいいのかもしれない。  それでもオーレリアは決意している。その気持ちを無駄にはしたくない。  それが王族に課せられた使命なのだ。  姉の話を聞いて、ラクシュリーナはふと考える。
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