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ラクシュリーナを憎むくらい王妃を愛していた国王は、幸せな結婚生活を送っていたのだろうか。二人はお互いに愛し合っていたのだろうか。
両親だって決められた結婚であったと聞いている。何がきっかけとなって、互いを互いに好きになったのだろう。
「ところで、お姉様がフレイムシアンに嫁ぐことと、龍魔石には何か関係があるのですか?」
オーレリアは、最初に龍魔石について口にした。彼女は、関係のない話をとりとめもなく口にするような女性ではない。
「そうね……」
そこでオーレリアは喉を潤す。
「結局、私がフレイムシアンに嫁ぐのは、フレイムシアンの龍魔石を融通させてもらうためのようなものよ。こちらの龍魔石の採取量が減っているわけでしょう? となれば、向こうに渡せる氷龍の龍魔石も減る。そうなれば向こうからもらえる火の龍魔石も減る。寒さの厳しいこの国にとって、火の龍魔石は必要不可欠なものでしょう? そこを今までと同じように融通してもらうために……」
やはり龍魔石が原因だった。
オーレリアの縁談は、アイスエーグル国に火の龍魔石を絶やさぬようにするために必要なものなのだ。
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