暗転

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 熱が下がったラクシュリーナは、けろっとしていた。お腹が空いたわ、といつもの調子で言い出すと、カーラがすぐに食事の用意をし始めたくらいだ。  医者がやってきて、ラクシュリーナを診察したが、ただの風邪だろうとの話だった。  昨日、外に出て寒さに当たったのが原因ではなかろうかと。発疹は身体にないため、例の病ではないと、医師は断言した。  熱も下がり食欲もあることから、滋養のある物を食べて、ゆっくり身体を休めるようにとのことだった。 「ねぇ? カーラもサライアスも、過保護だと思うのよ?」  すっかりと元気になったラクシュリーナであるが、雪が積もった日は、いくら雪がやんでいようとも外に出してもらえなくなった。雪道で転びかけたのも原因のようだ。  だからエセルバードが顔を出すたびに、そうやって愚痴を言っている。  この部屋を訪れるようになって、エセルバードはすぐに気づいた。ここから、子どもたちが遊ぶ様子がよくわかる。  きっとあの日も、ここから彼女は見ていたにちがいない。 「そうですね。姫様が雪道をうまく歩けるようになったら、外に出してもらえるのではないでしょうか」
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