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何事も原因がわかったよりもわからないほうがツラい。
「それは、よかったですね。原因がわかれば、あとは解決方法を探すだけですから」
「そうだな。だが、その解決方法が常によいものとはかぎらない」
サライアスはエセルバードを真っ直ぐに見つめる。彼は、エセルバードが子どもだからといって、ごまかすような言い方はしない。
「氷河時代、知っているか?」
「はい、義父上から借りた本で読みました」
その答えに、サライアスはゆっくりと頷く。
氷河時代とは、大陸の気温が低下し、普段は雪の降らないフレイムシアン国も、年中雪に覆われた時代を指す。それが始まったのは、今から五百年前であったと、本には書いてあった。そこから百年ほどの氷河時代が明けたあと、徐々に気候が落ち着いて、今に至る。
「その氷河時代がやってくる前触れらしい。氷龍の力が尽きようとしている」
「え?」
「氷河時代の始まりは、氷龍の力が尽きたのが原因らしい。その前触れとして、氷龍が龍魔石を落とさなくなる。つまり、龍魔石の減少だ」
「え? これから氷河時代がやってくると?」
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