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すぅっと肩の力が抜けた。サライアスも眠りにつくと表現していたことを思い出す。それをエセルバードは永遠の眠りであると勝手に解釈していたのだ。
「そうなのですか?」
「だから、何も心配しないで。わたくしは必ず目覚めるから……」
「わかりました。では、姫様が役目を終えて目を覚ますのを待っております。それで、どのくらい眠るのですか?」
「それは……わからないけれども……」
そこで彼女は口ごもる。となれば、本当にわからないのだろう。
数年かもしれないし、数十年かもしれない。言葉はなくとも、言いたいことはなんとなく伝わってくる。いや、もしかしたら言いたくないのかもしれない。
「姫様。ではボクは約束します。氷龍がふたたび飛翔するとき、ボクは姫様を守る騎士になっています」
「まぁ、心強いわね。それならわたくしも安心して目覚めることができるわ。でも、おばあちゃんになっていても、がっかりしないでね」
ラクシュリーナは花が咲き誇るような笑顔を見せた。
「わたくしも、これでお父様の役に立てるのかしら?」
それから彼女はぽつぽつと語り出す。
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