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ようは、大陸を救うための生け贄のような存在である。それでもラクシュリーナ本人は、それを受け入れた。
ラクシュリーナとサライアスが本城に呼び出されたのは、この話のためだった。
くすぶる想いを、エセルバードは吐き出せずにいた。きつく唇を噛みしめる。
彼女は、エセルバードに生きてほしいと言った。それはエセルバードも同じである。
彼女に生きてもらいたい。
彼女にふさわしい男になりたい。
その気持ちで生きていたというのに――。
それから数日後――。
アイスエーグル国内に通達がいく。
数日のうちに王城を封鎖するという内容だ。それとともに、第一王女のオーレリアがフレイムシアンに嫁ぐ。
王城を封鎖するのは、力が尽きかけている氷龍を守るため。王城を含む王都で生活をしていた者は、すみやかに生活拠点を他方にうつすこと。
国民が慌ただしく動き出す。
それからしばらくして、アイスエーグルの王城は、文字通り氷によって閉ざされた。周囲は吹雪がひどく、近づくことさえできない。 それでも遠くから見れば、氷の彫刻のようだとも言われている。
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