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エセルバードはサライアスを見上げる。言葉を紡ぎ出そうとする小さな唇が震えている。
「ぼ、ボク……。騎士になりたいです。立派な騎士になって、姫様を守りたいです。ボクでも騎士になれますか?」
エセルバードの言葉に、サライアスはゆっくりと微笑む。
「ああ。私の鍛錬についてこられるなら、姫様を守れるだけの立派な騎士になれるだろう。決まりだな」
そう言ったサライアスは、少しだけ口元をほころばせた。
「サライアス、何を考えているの? あなたがそういう顔をしているときは、何かを企んでいるときなのよ」
サライアスの微妙な笑顔を見つめたラクシュリーナは、眉間にしわを寄せて睨みつける。
「いえ、何も企んでおりませんよ?」
ラクシュリーナにとっては信じられないような言葉だ。
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