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◇肉食女子と年下男子の恋愛事情◇
「おい、実花」
「うざ」
飛ばしてきたのか、思った以上に早く来た新のデカイ車に乗り込んだ。
新は実花の着飾った姿を見て驚き、ため息をつきながら車を発進させる。
「お前、まじで心配だわ」
「はぁ!? 誰が心配してって言ったのよ!?」
「あそこのマスター遊び人だからって!」
「別に、いいじゃない~!? 遊び人! サイッコーだね!」
わざとに笑いながら言う。
「そんなこと続けてていいのかよ?」
「何が?」
「だから……けっ……けっ」
「け??」
「結婚願望とかないのかよ」
言いにくそうに新が言った。
「……ない! ってか、そんなこと私に聞いてどうすんの? 未来ある年下の彼女ありの若者が私に説教すんのかよー!? ざ・ん・こ・く!! アハハ!! 自慢しに来たわけ!? 余計なお世話!!」
「説教なんてしてねーよ!!」
「怒鳴らないでよ!」
「怒鳴ってねぇ!」
お互い怒鳴って、沈黙……。
腹が立って、イライラして、なんだこの時間、と実花は思う。
なんだか泣きそうになる。
「だから……あの子は彼女じゃないから」
「いーから、そういうの。好きにすればいいじゃん」
あぁ、イライラする酒が飲みたい――と思う。
「じゃあ実花はどうなんだよ?」
「えっ?」
「俺をただの年下の馬鹿で、セックスができる男だから? それだけで、俺とずっと仲良くしてたんかよ!?」
「……そ、それは……」
「実花のとこに行かなくなって……俺は……寂しくなった」
キュンとした。
空っぽになった気がしたのは、自分もだったから。
寂しかった。
「あっは! じゃあなにかねーっ? あの可愛い清純彼女振って?? わたくしめのとこにでも来る気かね?」
どう考えたって、向こうの方がビジュアルもいいしきっと若い。
冗談ぽく笑ってやった。
『まさか!』で早く終わらせてほしい。
「行く」
「……は?」
「俺、お前と付き合う。エロくて料理もうまくて、ゲームの趣味も合う。姐さん女房で最高じゃん」
「な、なに勝手に決めてんのよぉ!?」
実花の家の近くのコインパーキングに着いた。
「お断り!! バカ!!」
運転席から手を捕まれ抱き寄せられ、キスをされて舌で唇を舐められた。
「じゃ俺と今からやって決めろよ。そんなにセックスが好きなら誰が1番いいかやったらわかるだろ?」
「な、生意気」
「だから早く部屋行くぞ」
無言で部屋に行く二人。
部屋に入った途端に、新は実花を抱きしめる。
玄関からリビングへ歩きながら、実花の服を這いで乳房を大きな手で愛撫する。
そのままベッドへ直行。
紐Tバッグのショーツに包まれたヒップを強く撫で揉みながら、スルリと解き落とした。
「んっ……激しいって……」
耳も首元も舐められる。
「こんなエロ下着履きやがって……俺以外の……もう挿れたの?」
ドキっとする。
「ば! ばか! 何聞いてんのよ! あっ……あんたこそ! どうせあの子とやる事やってんでしょ!?」
脱がされた実花はもう濡れていた。
新の手に触れられたら、もう濡れる身体になっていた。
ぎゅっと唾液で濡らした太い指を二本回しながら、花びらに入れられる。
蜜が溢れて恥ずかしくなった。
「あっ」
「だから、俺はやってないから!」
「んっ……どうだかっ!? す~ぐギンギンになるくせに」
抱き締められた腕から離れて、新の熱い猛りを掴んで、ベロっと舐めた。
あぁ……大好きな新の……味と思ってしまう。
胸がキュンとする。
「今日はフェラいいから、お前は何もしなくていい」
「えっ?」
新は実花の股間に顔を埋め、花芽を舌で執拗に責められ指で揉みほぐされる。
胸の頂きも刺激されて、実花はすぐにイッてしまう。
「んっ! あぁ……! はぁ……気持ちいぃ……」
「実花……挿れたい」
「……うん……いいよ」
いつもはズンとすぐに奥まで突いてくるのに、今日は猛りの感触を感じさせるようにゆっくりと入ってくる。
「あっ新、気持ちいい……動き……やらしいよぉ……」
「俺も…んっ……絡みつく……」
ぐっと口づけるように、実花の奥の奥に新の猛りが当たる。
そのまま、新は実花にキスをした。
はぁ……と切ない色気のある新の表情。
一瞬見とれて心臓が高鳴る。
「実花……好きだ」
「あっ……奥に当たる……えっ……?」
快楽から引き戻される言葉。
気持ちいいとは言うが、好きなんて言わない関係だった。
「好きだよ」
「な、やめてよっこんな時に!」
「こ、こんな時だから言うんだろう! 本当っお前は……!」
「な、なによぉ」
実花は何故か泣きそうになるのを堪える。
「ヤリチン! そんなのあの女に言えよっ!」
逃げようとする実花を、新はがっちりと抱き締める。
「だからさ! 実花とセックスしてたら愛しくなって、好きになっちゃったんだろ!」
ちゅっ……ちゅっと優しく唇で伝えるように口付ける。
「お前も俺のこと好きなんだから、素直になれよ」
「……別に」
実花は横を向く。
「じゃ俺ともうセックスできなくなるぞ? 駅弁できるような男は、もういねーぞ!?」
「……それは……惜しいかも」
「……お前みたいな、可愛い顔して自信ありまくりな女は初めてだったよ」
「ふん! それが歳の差だよ。1日が過ぎるだけでも私は何を得ようか考えて生きてるもん。そんな年上の私があんたに負けるわけがないよ」
何を言っても素直にならない実花。
新は降参というように、実花の胸元に顔を埋める。
新のものが萎えていくのがわかる。
「ふっ……そうだな。じゃあ俺をコテンパンに負かしてよ。年上なりの振り方見せてみろ。セフレと別れる、カッコいい後腐れなしの振り方をさ」
「……ないよ」
「え?」
「そんな振り方知らない」
「なに」
「私は……もうセックスは、好きな人としかしないもん」
実花の目は潤みながら、新を見つめる。
「実花っっ!!」
ぎゅーっと新が実花を抱きしめる。
「俺は実花が好きだ!! お前も好きって言えよっ!! 言ってくれよ!」
「好きだよ……新が好き」
首に腕をまわして実花からキスをした。
新はホッとしたように抱き締めて、実花の髪を撫でる。
「実花……実花好きだよ……」
「私を悲しませたから……懲らしめてやった」
「ごめん……先輩の紹介で、断れないままグイグイ来られちゃって……あの日も二人っきりじゃなくて飲み会の買い出しでさ」
「で結局、断ったの?」
「あの後店で断ったら、めっちゃキレられてビンタされて終了」
「あはは、ざまみー」
にっこり笑った実花に新はまた安堵して、また抱き締めた。
「……実花好きだ、もう絶対離さない」
「うん……本当は私も大好きだよ……」
誓うようにキスをした。
「じゃあ仲直りのセックスするかぁ!」
「しよ!!」
「恋人としての初セックス!だな」
「激しくがいい~~~!」
「朝までやろう! 潮吹かせてやる!」
「きゃースケベ~!!」
「愛してる実花~~!!」
「私も! 愛してる! 抱いて!」
「最高可愛い!」
抱き合いながら笑って、そしてまた2人の舌は絡み合い、激しく求め合っていく。
感覚が、快感が愛情で更に高まっていくのを感じていく……。
~Fin~
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