手紙が運ぶ絆

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 庭仕事用人型ロボットのトムは、いつものように庭の手入れをしていた。トムはかつて『ルックスは平凡だが、働きぶりは非凡』というキャッチコピーで売り出された最新のモデルだったが、今では全身が老朽化し、動きが鈍くなっていた。トムの動きに合わせて、小さな金属音が庭に響く。  突然、風が吹き、手紙が敷地の外から飛んできた。その手紙を拾い上げたが、トムは文字を読むことができなかった。 「これは何でしょう?」  トムは首をかしげながら、手紙を持って屋敷の中に入った。  屋敷の中では、主人のポールが派手なパーティーを開いていた。ポールは収入は多かったが、金遣いが荒かった。妻と子供は遠い昔に逃げ出していた。  トムがポールのもとに手紙を持って行くと、ポールは、「ただの、下らない文章が書かれている手紙じゃないか。おい、パーティーの邪魔をするんじゃない! さっさと仕事に戻れ!」と怒鳴り、手紙を突き返した。  トムは命令通りに庭へ戻り、パーティーが終わるまで黙々と庭仕事を続けた。  日が沈み、仕事が終わったことをポールに伝えに行くと、ポールは酔っ払っていた。トムは迷った末に、手紙のことを再び話した。 「この手紙には何か重要なことが書かれているかもしれません。早めに持ち主を探し出して届けた方がいいのでは? 一緒に探しましょうよ」  しかし、ポールは激怒し、「おい、お前は、いつから私に指図するほど偉くなったんだ。それに、だ。お前が動く度に耳障りな音が聞こえてイライラするんだ。ああ、なんだか無性にお前が憎らしくなってきたぞ。今すぐ、さっさと出て行け!」と叫び、トムを家から追い出した。  トムは、街を彷徨い続けることになった。    
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