3人が本棚に入れています
本棚に追加
絵美はハンスに以前『マッサージ』の仕事をしていた事を話し『もしかしたら力になれるかもしれない』と伝えた。
「マッサージとはいかなるものか?」
この世界ではマッサージに類似する技術は無く、ハンスは半信半疑だ。
「擦る・揉む・押す・叩く」
「これを道具を使わず行い、相手の辛い症状を和らげるのがマッサージです」
「痛くはないのか?」
「稀に痛いくらいを好む人もいますが、なれてない人にはやさしめの刺激量にします」
「うむ。実は瀉血をしてもらったのだが……あまり効果が出なくてな……」
-瀉血でた!!-
何処ぞの中世ヨーロッパみたいに瀉血を多用していたのね。
絵美とシモーヌはハンスに案内され、ケイトの寝室の扉の前まで来た。
ハンスが扉をノックしケイトの寝室まで入り、ハンスの合図で絵美とシモーヌも寝室に入る。
「エミ……」
ベッドに横たわるケイトはとても辛そうだ。
「パパから聞いたけど……『悪意の滞り』って無くなるの?」
「すぐには無くならないかもしれない」
「でも少しずつ楽になる」
「もし……他に手段が無いのなら、やってみる価値はある」
ケイトは頷き、絵美は仰向けになるよう伝えた。
最初のコメントを投稿しよう!