悪意の滞り

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 おそるおそる仰向けになるケイト。  絵美は念のため妊娠中か確認するが、ケイトの夫は兵役中のためその可能性はない。(あったら大問題だし、別の物語が出来そう)    絵美は手を洗い、手の温度を確認してからケイトのお腹を触る。手が冷えていたら触れた時相手がびっくりするからだ。 (仕事柄あまり手が冷えることないけどね) (うーん……。この手応えこりゃ便が溜まっているな)  ケイトは店番をするため水分を控える傾向にあり、なおかつあまり運動はしないようだ。 (サービス業の人はまめにトイレに行けないからね)  好き嫌いはないが食事量も少なく柔らかい物を好む。  ゆっくりと時計回りにお腹をさする。次に手のひらで何か所かに分けゆっくりと圧をかける。更にへその上に手を置き、強すぎない圧でゆっくりこねる。 -グルン-  腸が動く音が……。 (よし……!)  絵美は腰の下に手を入れ、そのまま腰椎のきわを押し上げるよう圧をかけ、再びお腹を時計回りにさすっていた。 -グルル……- 「ケイト……痛くはない?」 「痛くはないけど……お腹が鳴って変な感じ」  それはお腹が動いている証拠だと伝え、朝起きたら水分を必ず取ることと、嫌いで無ければ野菜果物・おやつにドライフルーツを水分といっしょに取る事。普段から体を動かす事をすすめた。  そして翌日。  ケイトが大量のデザートパンとともに長老宅を訪れ『悪意の滞り』が無くなった!と嬉しそうに報告してくれた。  この『悪意の滞り』が無くなった話は、あっという間にヤンデラ村に知れ渡る事となる。
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