はじまりのはじまり

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 そして……。  田中の発案で『もしホストが自分たちの店に営業に来たら?』どうすんのか?  皆の意見は様々だが最終的には『誰がその手に乗るかバカヤロー』『客としてくるならマッサージ受けるのに専念しとけ!』で一致した。  特に絵美は『イケメンに興味ないが無い』のでホストクラブに行こうとも思わない。  田中は話を変え『誰が推しか?』と皆に質問をした。  これも小説のネタになるのか?  皆心の中でそう思うが田中は受付スタッフとして優秀だし、我々は推しの事を語りたい。ここぞとばかりに語るスタッフ達。  田中は絵美に話しを振るが、絵美の男性の趣味を知っている一部スタッフと店長が『あ…』となった。 「私?私の推しは『秀吉様』よ」  田中はポカンとして。 「有馬さん秀吉様って…もしや…」  絵美はズイッと田中に顔を近づける。 「そう……『天下人の秀吉様』よ」 「私ね『才能あるブサイクな男性』が好みなの」 「あ!ブサイクって世間様から見てブサイクって事よ」 「私にとっては素敵な殿方なの♡」 「サル顔のはげネズミで天下人って最高じゃない!!」 「神様が願いを叶えてくれるなら正妻なんて贅沢言わない……『側室になりたい』の」  呆然とする田中はすぐに気を取り直し、絵美に『現実世界の推し』は誰かと問いた。  「現実世界か……それなら映画監督の×坂×夫かザャンザャンの安倍川もち太かな?」  映画監督の×坂×夫とお笑い芸人の安倍川もち太。どちらもその分野では認められているが……どちらもビジュアルに難ありな男性だ。    
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