はじまり

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 周りの人の不穏な言葉に、絵美は少しずつ不安になり始めていた。 「ぎゃあ!!」  男性の叫び声。 「どうした?」 「大丈夫か?」  人々が叫び声を上げた中年男性を取り囲んでいる。  中年男性は立つのもやっとらしく、周りの男性に支えられていたが……震える手で絵美を指さす。 「あの女は魔女だ!!」 「俺は魔女の一撃を喰らった!!」 (え?『魔女の一撃』ってギックリ腰の事だよね) 「たしかにおかしな服を着ている」 「祈りの途中にいきなり現れるなんて、神への冒涜だ!」 「捕まえろ!」 「役場につきだせ」  (え……もしや私人生詰んだ?)  新橋から訳のわからない所に移動し、更に訳のわからない状況になった絵美。  だが受付スタッフ兼小説家田中が書いた『異世界転移』と同じ状況か?とも思う絵美。 (魔女なら私火あぶりされるの?) (こんなんなら秀吉様の時代に行きたかった) (助けてー!秀吉様!)
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