恋愛のメソッド

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恋愛のメソッド

お腹がいっぱいになり 食欲は満たされた 私たちが焼き鳥屋を出たのは すでに21時になろうかという時刻で ムロくんは 「危ないから自宅近くまで送るよ」 と言ってくれたのだが、 「電車に乗ってしまえば、大丈夫だから」 と、私が言い 駅まで一緒に歩く事にした 中目黒の駅前まで来ると 「ここで良いよ、今日は無理矢理 付き合わせちゃってごめん、 話、聞いてくれてありがとね」 「ふっ、良いよ、なかなか面白…いや、楽しい話が聞けて、こっちも参考になったよ」 「ヤダ〜もう、参考って何〜?」 私たちはお酒が入ったふわふわ感もあって 声を上げて笑い合う その時、駅に向かって歩いてくるカップルが 見えて どこか見たことのあるシルエット カップルとの距離がなくなると 「…あっ…」 私は思わず、小さく声が出る するとカップルの男の方が同じように 声を出した 「…おっ」 日下部だった そして隣には、 先程マンションのエレベーターで一緒に なった女性がいた
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