恋愛のメソッド

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最初に口を開いたのは日下部で 「…へぇ、これはこれは誰かと思えば 後藤田さん、でしたか、こんなところで この辺りにお住まいでしたか?」 「…こんばんは、もうお加減はよろしいんですか?外を出歩いたりして」 「おかげさまで」 少しの間、沈黙があって 「…じゃ、俺らこっちなんで」 隣にいた女が 「え〜、健斗の知り合い〜?」 と、甘ったれた声で話しかけるのが聞こえたが、 足早に去ってしまったので、日下部がそれに 何と答えたかはわからなかった その様子を見ていたムロくんが 「もしかして、今のが、例の恩人8号、日下部氏?」 「ぷっ、…面白くないよ、ムロくん」 やっぱり、さっきの()、 日下部の部屋に入っていった女だ 「ふうん、たしかにイケメンだね、 今どきの子 でもって 隣にいた女子が、ゴトちゃんのライバル、っと」 「ムロくん、マジ笑えない」 「あ、ごめん、更にはこの状況 日下部氏に誤解されちゃったかもしれない そうだったら、マジごめん」 「誤解なんて…大丈夫、きっと向こうは 私のことなんて気にしてないだろうし」 我ながら、ちょっと卑屈発言
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