恋愛のメソッド

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「ふふ、…私に会いに来てくれたんだよね、 サンキュ」 「なんの、デパガ時代に苦労を共にした仲間じゃないですか」 私たちは、すでに日本酒に切り替えていて お猪口(ちょこ)を持つと、再び小さく乾杯した 「そういえば、矢部ちゃん、覚えてる? ひとつ下の」 「もちろん覚えてる、わりと元気印の、 彼女がどうした?」 「このたびめでたく料理人と結婚、退職の流れ」 「マジか、仕事続けないんだ?」 「相手のお店、手伝うらしいよ」 「あ〜、まあ私自身も、結果そうなってるから 矢部ちゃんがその道を選んでも違和感は無い」 「矢部ちゃん、その相手って言うのと、 マッチングアプリで知り合ったんだって、 婚活アプリ?」 「へぇ〜、そういうの利用するタイプだったんだ」 「トレンドなのかしら、今時の」 「時々テレビの特集や雑誌で広告見たりするけど、 あんまり興味なかったな」 「美穂は、そりゃそうだよ、既婚者なんだから」 「何?まさか、興味あり?夏美サマ」
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