大智

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 紗央里がBMWに乗り込むと柑橘系のオードトワレの香が舞い上がった。シャネルのチャンスオーヴィーヴ、紗央里が香水を買って欲しいと駄々を()ねたので鼻の利く明穂に不倫が発覚しない様に同じ銘柄を選んだ。 「あ、ん」  普段は病棟の薄暗いカルテ保管庫で済ませる情事、有給休暇を取得した2人は車での移動時間も惜しく近場の温泉宿を選んだ。 「あ、せんせ」  女将に予め布団を敷いておいてくれと頼み部屋に通されるなり吉高は紗央里のワンピースを脱がせて畳に倒れ込んだ。 「もう濡れてる」 「やだ、もう、止めて下さい」  黒いパンティストッキング越しの白いインナーには染みが出来、女性特有の匂いが吉高自身をそそり立たせた。激しく興奮した吉高はストッキングの股座(またぐら)を掴むと勢いよく引き裂き、顕になったインナーにむしゃぶりついた。 「あぁ」  隙間から舌を差し込み出し入れすると熱い吐息が漏れた。 「好きだ、好きだ紗央里」  その言葉が耳に届いているのかいないのか、それすらも定かではない紗央里は喘ぎながら脚を大きく開いて身悶えた。 ぐちゅ  インナーを脱がせ指を2本、3本と挿入すると紗央里は腰を前後に振り、物欲しそうな目で吉高を仰ぎ見た。 「あぁ」  吉高はネクタイを外ずす事なく半裸で紗央里の中へと押し入った。 「やだ、先生」 「病室でやってるみたいだろ」  激しく腰を前後させると敷布団のシーツが乱れた。 「私だけ脱いじゃってーーーずるい」 「犯しているみたいで興奮する」 「えっち」  吉高は紗央里を寝転がせると腰を上げてうつ伏せにさせた。 「嫌らしいのはおまえだろう、もうこんなになってる」  突起に指を這わせて臀部を奥まで突くと紗央里は雌の呻き声を上げて長い髪の毛を振り乱した。 「あ、あ」 「ほら、ほら、もっと欲しいんだろ」 「あ」 「腰、振れよ!ほら!」 「ああっ!」  紗央里が果てた事を確認した吉高はありとあらゆる体位を堪能し腰を振り続けた。背後から抱え上げ紗央里の身体を上下させるとより深い部分へ自身が埋もれるのを感じ尾骶骨(びていこつ)から脳髄に痺れが走った。そこで自身を紗央里から抜き取って突き放した。 「やだ、痛い!」 「ふぅ、やばかった」  紗央里の背中に飛び散る白濁した体液。吉高は快楽に酔いしれコンドームを着けずに情事に耽った。
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