ひかりのなかへ

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ーーー2年後  2世帯住宅に建て替えた仙石家に明穂の両親は入り浸った。大智と明穂は双子の息子と娘に恵まれた。心配された弱視だが乳児検診で異常は見つからなかった。 んぶぅ 「大奈(だいな)ちゃーん、ばぁばの所においで」 「大奈、女みたいな名前だと思いません?」 「そうよねぇ」 「ウルトラマンにダイナっているんだよ!」 「あぁ、あなたウルトラマンとか怪獣とか好きだったものね」 きゃっきゃっ 「明奈(あきな)ちゃーん、じぃじが好きだよなぁ」 「田辺さん、なにを言っているんですか!明奈は私が一番好きなんです!」 「ほれ、わしが抱っこすると笑うとる」 「私でも笑います!」  2人とも明穂に良く似た絹糸の薄茶の髪をしていた。 「こんにちはー!お義父さん、お義母さん、固豆腐(白峰名産)買って来ましたー!」 「た、ただいま帰りました」  仙石家に新しい家族が出来た。吉高は白峰診療所に高齢者の付き添いで通っていたデイケアセンターの女性職員と結婚した。 「お帰りなさい」 「ただいま」  吉高は相変わらず物静かだが妻の恵子(けいこ)は快活でどちらかと言えば、これでは不倫のふの字も出ないだろうと見守る事にした。 「明穂ちゃん、元気そうだね」 「吉高さんも良い顔をしてる、幸せなのね」 「うん、幸せだよ」 「良かった」 「吉高!おま、近寄んじゃねぇよ!明穂が妊娠しちまうだろ!」 「酷いなぁ」 「なに余裕ぶっこいて笑ってるんだよ!」  明穂は今、光の中に居る。 了
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