10.ばれた覗き見*

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 仕事で独り立ちした後のある日、ペトラはリネン室で乾いた洗濯物を収納していて誰かが入って来たのに気付いた。入って来たのは、若い男女2人で1人は良い身なりをしており、もう1人は侍女のお仕着せを着ていた。 「新しく入って来た下女はどうだ? 任務に向きそうか?」 「物覚えが良くてすばしっこいので、向いているとは思います。でも容姿がちょっと目立ちますので、隠密行動には向かないかもしれません」  声がエレナのもので、しかも話題が自分の事だと分かり、好奇心に駆られたペトラは物陰に隠れて息を潜んで続きを聞いた。 「そうか。使えるかどうか、まだ様子を見よう。ところで、あいつの様子はどうだ?」 「はい、もう少しで旦那様の……」  男はエレナに全部言わせずにいきなり口づけた。 「んふ……はあ……」  口づけながら男がエレナのスカートの中に手を突っ込んでまさぐると、スカートが捲れて艶めかしい白い太腿が露わになった。男の手は太腿を撫でながら、エレナの秘めた場所に向かう。やがてピチャピチャと水音がし始めたが、男女関係に疎いペトラには何の音なのか分からなかった。ペトラはそれよりも、普段少女のように無垢な笑顔をするエレナが打って変わり、頬を染めて呆けた表情で愛撫に喜ぶ様子から目が離せなくなった。
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