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ルイトポルトは一気に貫きたくなる欲望を必死に抑えて少しずつ挿入し、やっと奥まで届いてもすぐに腰を動かさず、パトリツィアを気遣ってじっと抱きしめた。
「パティ、全部入ったよ。嬉しい……ありがとう」
「これで兄様の本当の妻になれました。幸せです」
「うん、僕も幸せだ」
2人は、この瞬間、これからの困難を忘れて多幸感に酔いしれ、抱き合ってキスをした。
やがてルイトポルトに限界が近づき、動いてもいいか許しをパトリツィアに得てゆっくり律動を始めた。
「パティ、パティ、パティ……大好きだよ、愛してる……ああっ、もうイきそうだ」
「ああっ、あああ……兄様、兄様、愛してる!」
「はぁ、はぁ、はぁ……パティ、イくっ! イくよ!……ああっ、だ、駄目! 脚を外して!……ううっ! くっ!」
ルイトポルトが達しそうだと言った瞬間、パトリツィアは脚をがっしりと彼の腰に巻き付けた。男根は既に暴発寸前で思ったよりも力強く巻き付くパトリツィアの脚にあらがえず、欲望を彼女の最奥に吐き出してしまった。
ルイトポルトは、宰相を倒して彼の傀儡となっている父王を廃する前にパトリツィアを妊娠させる訳にはいかない。パトリツィアに避妊用の丸薬を渡し、彼女が口にするのを確認した。
次にルイトポルトはパトリツィアを寝台に腰掛けさせ、自分の子種を蜜壺から掻き出した。その指の動きは交接で敏感になっていたパトリツィアに快感を与えて喘ぎ声が出てしまった。その痴態を見てルイトポルトは再度沸き起こる欲望に必死に耐えなければならなかった。そのためルイトポルトは、パトリツィアが口の中から何かを出したのに気付かなかった。
その後、2人はルイトポルトの寝室へ移動し、ルイトポルトはおやすみのキスをパトリツィアの頬にした後、疲れていていつにもなく早く寝入った。ルイトポルトの寝息が聞こえるようになると、パトリツィアは眠れないまま愛しい夫の穏やかな寝顔をじっと見つめた。
「兄様、ずっと愛してる。ありがとう……さようなら」
パトリツィアの瞳から一筋の涙が頬に流れた。
翌朝、王太子妃パトリツィアの姿は王宮から忽然と消えていた。
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