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8.結婚に対する周囲の反応
両家の親とアントンの希望により、アントンとリーゼロッテは最短の婚約期間3ヶ月で結婚することになった。それを聞いたアントンの主人ルイトポルトは、アントンが結婚は計画の邪魔と常々言っていたのに突然結婚する事を訝しがった。
「アントン、一体どういう風の吹き回しだ? いつも僕にパティと距離を取れって言ってる癖に、まさかリーゼロッテ嬢に惚れたんじゃないだろうね?」
「そんな訳ありませんよ。まだまだ二重スパイを続けないといけないですから、ここらで父親の言う事を聞いた振りをしておかなくてはならないだけです。私は殿下と違って宰相断罪後はきっぱり離縁して彼女を修道院へ送るつもりですよ」
「何も知らないでこんな男と結婚するリーゼロッテ嬢が気の毒だな」
「私達が成さなければならない事の前に個人の感情など微々たるものです。殿下も肝に銘じておいて下さい」
「相変わらず不敬だな、アントンは……」
「殿下に心からの助言をできるのは私だけと自負していますので」
「確かにアントンの事は信頼してるけどね……」
ルイトポルトはまだ何か言いたそうだったが、アントンはそれ以上自分の結婚話を話題にしたくなくて話をそこで打ち切った。
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