26.妻の覚悟*

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 リーゼロッテはトラウザーズの上から夫の局部を撫で続け、仕舞いにはトラウザーズの中心に染みがじわりと滲んできた。彼女は掌に湿り気を感じ、トラウザーズのボタンを外し始めた。 「ロ、ロッティ、どうしたんだ?! 止めてくれっ!」  リーゼロッテがアントンの言葉を全く聞く様子はなく、とうとうトラウザーズの前は完全に寛げられて赤黒い怒張が引っ張り出された。肉棒は既に先走り汁でびしょびしょに濡れており、リーゼロッテが扱く度にぬちゃぬちゃと水音がする。 「んあっ! ああっ! 出ちゃう! 止めて!」  アントンはリーゼロッテの手を陰茎から引き剥がし、彼女を床に押し倒した。リーゼロッテよりはるかに腕力のあるアントンが抵抗しようとすれば、その前にとっくに彼女の手を股間から遠ざけられたはずだった。でも本気でそうしなかったのは、やはり溜まっていた性欲が心の奥底で理性に勝ったからだったのだろう。  アントンはリーゼロッテの咥内を蹂躙しながら、ドレスの前をビリビリと引きちぎってささやかな乳房を露わにした。 「ほら、俺は優しくなんて抱けない。野獣なんだよ。恐ろしいだろう? 止めるなら今しかない」 「それでいい、アントン様に激しく抱かれたいの」  リーゼロッテはそう言ってアントンに抱き着いて口づけた。妻に抱かれたいと言われた嬉しさと柔らかい唇の感触で、アントンの理性のネジは瞬時に弾き飛んだ。  アントンは、リーゼロッテの口付けに応えて口腔の中を舐めまわし、舌を強く吸った。彼の舌が彼女の口の中をぬめぬめと這いまわり、唾液が流し込まれ、舌が動く度にぴちゃぴちゃと水音が響く。その全てがリーゼロッテの身体の芯から湧き出る疼きを増幅し、頭のてっぺんまで届けた。 「はぁん……ああ……アントンさまぁ……あっ! い、い……」  アントンは舌を徐々に首から乳房へ這わせた。アントンは白い肌を舐めるだけでなく、時々吸ったり、噛んだりして、その痕をベロベロと舐めた。リーゼロッテは思わず『痛い』と言いそうになったが、それを言ったらアントンが行為を中断するような気がして言葉を飲み込んだ。でもそんな理性が働いたのもそこまでだった。  アントンはドレスの中に手を入れ、ドロワーズを乱暴に引き下げた。そして蜜壺にいきなり指を突っ込んで乱暴にかき混ぜた。 「あああっ! い、痛い!」  蜜壺は既に濡れていたが、処女のリーゼロッテは中まで解れた訳ではなく、ピリピリと痛みを感じた。性欲でタガが外れたアントンは、妻が微かに見せた苦痛の言葉や表情に全く気が付かず、乳房のさくらんぼを舐めたり、噛んだりしながら、蜜壺に入れる指を増やして一心不乱に動かし続けた。
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