28.幸せな気持ち*

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「ロッティ、脱いでくれる?」 「今日は私達の2度目の初夜ですよ。初夜の寝間着は破る為にあるんじゃないですか?」 「まさかあれを信じたの?! ごめん……」 「フフフ……嘘です。信じてませんよ。でも着たままでもいいですか? 私の肌は傷痕があって醜いので……」 「そんな事ないよ。君は綺麗だ。直接肌を合わせて愛し合いたい。脱いでくれないか?」  アントンはもう寝間着を脱いで全裸になっていた。彼は細身に見えるのに意外と筋肉がついていて引き締まっている。今までいつも閨でアントンは脱いでいなかったので、リーゼロッテは頬を赤らめながらも彼の逞しい肉体から目が離せなくなってしまった。  リーゼロッテが視線をアントンの胸の筋肉から少し下にずらしていくと、股間から臍にかけてドーンと存在を主張する雄が鎮座しているのが目に入った。アントンは色白なのに、そこだけは赤黒くて血管がボコボコと表面を走っているのがおどろおどろしい。リーゼロッテは恥ずかしくなって下を向いたが、ついちらりと男根をまた見てしまった。 「僕の男の象徴を見たいの? いいよ、見て触って」  アントンは、リーゼロッテの手を肉棒に導いた。彼女の手が触れた途端、熱くて硬い男根はビクビクと震え、先端からじわじわと透明色の液体が滲み出てきて彼女の手をベタベタに濡らした。 「はぁ、はぁ、はぁ……ロッティ……そのまま手を上下に動かして」 「こんな感じですか?」 「あああ……いいよ、ロッティ、気持ちいい……」  リーゼロッテが肉棒を扱くと、先走りがどんどん鈴口から溢れてきて竿に垂れていき、手が動く度にヌチャヌチャと水音が部屋に響く。リーゼロッテは、わざとなのか、それとも知らないのか、竿を握る指がカリ首に絶妙な感じに一定間隔で触れ、射精感がキュウッと上がってきそうだ。 「ああっ、駄目っ!」  アントンは、咄嗟に亀頭を手で押さえてハァハァと大きく喘いだ。 「アントン様、どうしたの?!」 「今日の最初の子種は君の中に贈りたいんだ。だからもうコレは終わり。今度は僕が君を気持ちよくしてあげる。お願い、寝間着を脱いで」 「でも……」 「裸で君と抱き合って愛し合いたい」  リーゼロッテを見つめるアントンの目は、初めて会った日のように優しい。彼女はおずおずと寝間着を脱ぎ始めた。
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