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「無理だよね?どう考えても、無理だよね?」
「今のもしかして川柳?五七五だったけど」
「違うわ!!って、そうじゃない!おみくじで大吉出るまで帰れないのは無理ゲーだよね?そもそもね?おみくじって一回引くだけで十分なのよね?占いじゃなくなってるじゃん?力技じゃん?」
「姉ちゃん。幸せはな、自分で掴まなきゃダメなんだぞ?」
「何それっぽいこと言ってんの?」
私は今10枚目のおみくじを引いた。
大吉は珍しいものではないはずなのに一回もでてこない。
末吉、小吉、小吉、末吉、凶、大凶、末吉、小吉、末吉、大凶。
これが今日の成果だ。
「姉ちゃん運なさすぎじゃね?大凶×2は最早強運なのかもしれんが」
「大凶2枚もいらないんだけどー!弟に押し付けてやる……!」
「やめろバカ」
「バカって言ったな!?」
ていうか金がなくなりそうです助けて。
「まぁまぁ、次は大吉出るかもだし、頑張ろうぜ?」
「……ん」
再度お金を入れておみくじを引く。
開いてみるとそこには……。
「大吉だぁぁぁ!!」
「お〜、おめでと〜」
気持ちのこもってないおめでとうだが今はどうでもいい。
1100円が報われた気分だ。
「恋愛の項目なんて書いてる?」
「大吉なんだからいいことでしょ!え〜っと」
『恋愛∶今年はするな★』
「意味分かんないよおおおおお!!」
名ばかり大吉だった。
「最後の★がなんかちょっとムカつくな」
「もう無理……私に恋愛なんて向いてないんだ……」
「……」
しばらく無言の空気が流れた。
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