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「…………さて」  地元の公立校、律明(りつめい)高校――その四階に在する一年二組の教室にて。  梅雨時の、ある放課後のこと。  鬱々とした天気とは対照的に、晴れやかな様子で談笑を交わす複数の男女生徒達。そんな彼らを横目に、帰り支度をしつつポツリと呟く私。もちろん、そんな私の声を聞いている人などいなくて。  まあ、かと言って何の差し支えもないのですが。ただの独り言ですし、むしろ聞こえていた方が少し恥ずかしいくらいです。まあ、それはともあれ――   「――では、参りましょうか」
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