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すると、私の思考に答えるようなタイミングで届いた声。こちらとしては、もう幾度か聞いた柔らかな声。ともあれ、ゆっくりとその方向――開いた扉の方へと視線を移し、
「――いえ、どうかお気になさらず。そもそも、ご用事のある先輩を私が突然お呼びしたのです。こちらに不服を申す道理などありませんし」
「……そう、かもしれませんね」
そう伝えると、些か困惑したような表情で答える秀麗な男性。彼は外崎玲里――少しウェーブのかかった栗色の髪を纏う、三年四組の男子生徒です。
「……それで、僕にどのようなご用でしょう?」
すると、ややあってそう問い掛ける外崎先輩。表情こそ穏やかなものの、その声音から判ずるに些か急いでいるご様子。恐らくは、部活のことを気に掛けているのでしょう。なので、少しでも彼の時間を奪わぬよう、こちらもさっそく本題へと入ります。
「――初めまして、外崎先輩。私は一年二組、八雲李星と申します。もし宜しければ、私とお付き合いしませんか?」
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