魔王の望む平和な世界

助け

「何故、ガイウスが処刑されるんだ？
あいつは勇者。人間の代表じゃないか！？」

「王にとっては勇者は邪魔な存在なんです。
人間達は勇者を勇者様と呼んで、特別扱いをしますから。
聞いた話によると、世の中の悪い事、全てはシグ様と勇者のせいにされています。
しかも、勇者と魔王は共謀したとも言われています」

シグは立ち上がり、身支度を整えた。

「シグ様。何故、身支度を整えているのですか？」

「……助けに行く。ガイウスは俺のいとこなんだ。敵になっても見捨てられない」