②夜の訪問者

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 如月はそんな不安顔のまゆ子を一瞥して、天井をしばらく見上げ、ハッとひらめいた表情をする。 「……今、家には君しかいないようだが、同居の家族は何人いる?」    突然、質問する転入生。   「へ?今はひとり暮らしだよ。きょうだいはいないし、母は亡くなってて」    まゆ子はチラリと仏壇の写真を見る。   「父は海外出張中。12月末には帰国するけど」    まめに連絡はとっているが、帰ってくるまで2ヶ月半ある。    すると如月はうつむき、端正な顔をニヤリと歪ませる。   「え?なに?」   「どうかされましたか?兄さま」    戸惑う2人。   「ちょうどいい」  低い声でそう言い、顔を上げた如月は黒い笑顔を浮かべていた。  まさに悪巧みをする悪魔の笑み。
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