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「水晶が取り出せるまで、君には如月家に住んでもらうよ」
「え――!!」
深夜なのを忘れ、まゆ子が大声をあげる。
一方、ルキの顔はパァーっと明るくなる。
「兄さま!いい考えですね!いっしょに住めば何かあった時に対応できます!」
「な、だろ?」
今度は自然の笑顔になって、ルキの頭を撫でる彼。
「それに俺たちには魔獣をあるべき場所へ還す使命がある。水晶が取り出せないと困る」
「ちょ、ちょっと待って!」
突然の提案にまゆ子は焦る。
「すぐには行けないよ。明日はバイトだし、この部屋の片付けだってあるし……」
窓ガラスが割れているので、業者に頼まないといけない。そんなことを心配していると……。
「あー、それは問題ない」
如月はケロリと言って、人差し指を唇に当てる。
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