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彼はまゆ子たちと同じ制服を身につけていた。上下、紺色のブレザー。白シャツに男女兼用の赤いチェック柄のネクタイ。
「転入してきて1週間になるけど、すでに3人の子が告白したって噂だよ」
まゆ子は小声で菜奈に教える。
現に車内の女子生徒たちが、チラチラ彼を見ている。
「やば。それで告った子たちの結果はどうだったの?」
まゆ子は首を横に振る。
「みんなダメだった、って」
「やっぱりね」
菜奈がうなずく。
「あたしも経験あるけどさ、よく知らない人からいきなり『好きです』って言われても、OKする確率は少ないよ」
と、モテるからこその発言をする彼女。菜奈には中学から付き合っている彼氏がいる。
まゆ子と菜奈は小学校からの同級生で友達だ。同じ高校へ進学したが、学科が別&生徒数が多く校舎が離れているので、校内で会うことはほぼない。スマホでやり取りしたり、たまに遊んだりしている。
いつもは車で送り迎えの菜奈だが、友人からイケメン転入生の話を聞き、彼を見るため(彼氏がいるのに!)今日はバス通学のまゆ子についてきたのだ。
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