①如月家へ

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①如月家へ

「着いたよ。ここだ」    時刻は深夜11時40分。如月邸の前。    あれからまゆ子は服に着替え、身の回りの荷物2日分だけを持って(強制的に)如月家へ到着した。空を飛んで……。   「あ、ありがとう」    彼女はぎこちなく礼を言って、如月の背中から降りる。彼からは良い匂いがした。   「ルキくんもありがとう。重かったでしょ?」    まゆ子は隣に着地した小さな男の子から、大きめなバッグを受け取る。   「いいえ、大丈夫です!魔力で軽くしましたから」    少年はエッヘンと答えた。    数十分前、如月家へは空を飛行して向かうと、告げられたまゆ子。    魔族は飛ぶことが出来るらしい。    如月がまゆ子をおんぶするように背負い、ルキは彼女の荷物を持ってくれた。  正直『おんぶ』は抵抗があった彼女だが「別に問題ない」と、如月は平然と言う。  夜空の旅は、なかなかスリリングだった……。
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