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彼女は到着した建物を見上げる。そこはグレーの外壁がモダンな、2階建ての住宅だ。
如月はテキパキと門を開けて、手招きする。
「さ、行きましょう」
ニコニコしたルキが声をかけ、まゆ子は意を決して門をくぐった。
中へ入ると、見かけとは違い、とても広い空間が広がっていた。西洋の洋館のようだ。
彼女は思わず口を開けて、天井を仰ぐ。魔法で中を広くした、とルキが教えてくれる。
そして、玄関ホールに如月と2人の青年が立っていた。
青年は2人とも黒い執事服で、20代後半くらい。1人はシルバーの長い髪を1つにまとめ、もう片方は金髪で肩くらいの髪をハーフアップにしている。
「お帰りなさいませ、ルキ様。そして、ようこそいらっしゃいました、お嬢様」
シルバー髪の青年がにこやかに言って、執事は同時にお辞儀をする。
「ただいま!」
ルキが笑顔で返事をする。
「は、初めてまして。如月くんのクラスメイトの澤村まゆ子です。夜分遅くにすみません」
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