二章

2/3
前へ
/9ページ
次へ
鬼神の寝室のロッカーにはスーツが五着あった。・・・・・・・・・・・・鬼神は外に出かける時はいつもスーツかスポーツ用の涼しい服しか着ない。・・・・・・・・だがらなのか、鬼神は今スーツを綺麗にロッカーに干し並べてある。  それと、三日前スーツをこのタワマンの一階でフロントにクリーニングに出してくださいと、スーツをクリーニングに出すよう子供のような態度で言って今鬼神のスーツはクリーニングされている。  鬼神は綺麗好きだ、今のキャバクラの事務所は少しカビが生えていて鬼神は嫌がっていた。・・・・・・だがそんな事で鬼神が今の仕事に不満を抱く事は全くなく今はあのキャバクラの事務所で仕事を真面目に取り組んでいる。  その態度からか、陰で仁一に好かれている。それは花も同じだが............  ......正美は鬼神の事がここ数日で好きになったが、鬼神が気に入っている花の事をさらに嫌った。それで正美はまだ少しだがいじめをついに開始した。  まずは江角と水葉にメールでこう送った。  一条花の昔の噂を聞きました~  ・あの花は小学校の時に傷害事件を起こしたんだよ~  まだまだ終わらないよ次はもっと酷いよ  ・花は中学の時ナイフで同級生の手を切ったんだよ、その時はなんとか先生が花の事を叩いて同級生は手から血が出るくらいで済んだけど、もしかしたら花の事を先生が止めなかったら同級生はもっと酷い事になってたかも?  これじゃ終わらないよ!  また今度違う情報が入ったらすぐに連絡しま~す。  でもこのメールの内容は嘘が九割を占めて本当の事が一割あるかないかくらいだ。  その一割は小学校の時に傷害事件を起こした事だ。そもそも傷害事件ですらないが.............まぁそこは、置いといて。  花は小学校の頃よくいじめに遭った。  その理由は花の母親のせいだ。  母親が変なありもしない噂を広め鵜呑みにした花の友達の親は花の友達に花と遊ぶなと言い聞かせた。  それと母親が変な花の噂を花の友達にも広めた。・・・・・・・それこそ花の良い友達は頭がよく母親が嘘を付いている事に気づいていた。でも普通の子供はまだしも、その親は馬鹿なのか何度も言うが母親の言うことを鵜呑みにした。  それからだ花がいじめに遭うのは、  そして花は小学校三年生から六年生までいじめに遭いそして六年生の頃に堪忍袋の尾が切れて、いじめて来た男のまだ子供でふっくらとして少し赤い頬を思いっきりビンタした。  花はその時思った。・・・・・・私今この男の子殴った???・・・・・・・そしたらその男は花のビンタが痛くジンジンして泣き出した。・・・・・・・そして花は先生達にめーいっぱい怒られた。  だが不思議と花は先生に怒られた事は耳を通り抜けるかのようにして記憶に全く残らず、ただ花は先生に怒らた時自分がいじめて来ていた男子生徒に抵抗する事ができたと心の中で不思議に思っていた。・・・・・・・・・・・・花の性格上は暴力的ではなく真面目で綺麗好きで少し引っ込み思案だ。その事を幼くして理解していた花は、だから男子生徒に抵抗したことに不思議に思った。  そしてもう一つのメールが問題だ。  その理由は全くの嘘でなかなか過激のある表現だからだ。  同級生の手を切るなんて事をもちろん花はしない。・・・・・・・・・ただ花は小学生になる前に包丁を使い料理を一人で母親の分と自分の分を作った。その理由は花の母親はいつもどこかに出掛けていて、花のご飯は自分で作り、食べる。  そして、たまに母親が花に夜出かける時に言い捨てる。「私の朝御飯作っといて~」花は幼児でも理解した。・・・・・・・・・そして、花はこの前見たテレビの料理番組を想像しながらテキパキと小さな体を動かした。  それでなんとか花は料理を作り、母親の料理はラップの包んで一旦冷蔵庫にしまい自分は料理を食べる。・・・・・・・・花は自分が作った料理に何も思わない。  その姿はまるで、毎日家事をしている専業主婦のようだ。  こんな大変な日々が中三まで続いた。・・・・・・・・・・  それなのに花が中学で傷害事件を起こすはずがない。そんな暇が花にはないのだ。  ・・・・・どうして中三で母親の鎖から抜け出したかというと、母親がついにアルコール依存症で死んだからだ。・・・・・・花は少し泣いた。さすがの最低な母親でも花を生きさせるため仕事をして金を花の生活費に充ててくれたせめてもの思いを込めて花は母親の死体の横で泣いた。  それから花は三ヶ月位施設で過ごした。・・・・・・でも花は施設を嫌いすぐにバイトをし始めて安い繁華街の中のアパートの一室を借りた。  それからずっと今もそのアパートに住んで居る。・・・・・・・・その理由は紛れも無く過ごしやすいからだ。  勤務先は徒歩圏内にありスーパーは自転車ですぐに行けて駅は走って行ける距離にある。  だから今日行くカフェも電車一本で行けるのだ。・・・・・・・・・・・下手なタワマンに住むより花は良いと思って居る。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加