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シークレット・ハート・キャラメリゼ
クレームブリュレの表面にグラスシュガーをふりかけ、バーナーで軽くあぶった。虹色の飴の膜が張る。その様子はさながらステンドグラスだ。物珍しそうに眺める君の瞳に七色が映り込む。
「隠された真実を映す鏡に当てた光で作った砂糖なんだってね。なんだかロマンチック!」
無邪気にはしゃぐ様子に微笑んでいると、君は飴の膜を突き崩し、一口すくって僕に差し出した。
「私が食べたら隠し事とかしゃべっちゃうかも。先に毒見してよ!」
おどける君のスプーンを口に運ぶ。飴はほのかにほろ苦く、ブリュレは甘くてまろやかだ。君にまだ話していない気持ちは、理性のかたい膜に覆われている。
君に恋い焦がれる僕の心も、この菓子のように美しければ。
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