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神の賽
カラカラと音を立ててサイコロが三の目を出した。
「六が出たな」
俺がそう呟くと、サイコロはぐにゃりと捻じ曲がり、六の目に変わる。周りは失望と焦りで色めき立つ。誰も出目の変化には気づかない。
「賭け銭は全部いただいてくぜ」
金をかき集め、颯爽と賭場を後にする。
賭場に入る前に、裏路地の雑貨屋で「神の賽」を買って食ったのが功を奏した。薬臭い煎餅でできた菓子で、食った後に一回だけ、サイコロの出目を変えられるというものだ。まさか本当に効果があるとは。
上機嫌で暗い路地を歩く。突然、腹に鋭い痛みが走った。見れば、雑貨屋の店員が短刀を持って立っていた。
「あの力を使う場合、追加の代償が必要でして」
店員の口が弧を描いた。
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