悪食インサニティ

1/1
前へ
/15ページ
次へ

悪食インサニティ

 ああ、窓に! 窓に! 鉤爪と水掻のついた手が窓を叩く。  うるさいので歓迎の弾丸を二発。激昂したそいつはドアを突き破って不法侵入してきた。すかさず追加の弾丸と、斧の一撃でお出迎え。当たりどころが良かったのか、そいつは動かなくなった。  このまま外に捨てて、お仲間に見つかるのは御免だ。  だから、食うことにした。  さばいて、洗って、塩を振る。それでもまだ臭い。ヨーグルトに漬けて、マヨネーズとパン粉、カレー粉をまぶし、揚げ焼きに。  温かいうちに食ってみた。外は香ばしいが、中はブヨブヨ。だが、カレー風味でだいぶマシな代物になった。  でもやっぱり、街のダイナーのハンバーガーが恋しい。とっとと正気の世界に戻りたいもんだ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加