2 うたたねのあとで

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       § § §  狩猟会のあと、リダは寝込むことになった。  といってもいつもの体調不良ではなく、ほんの少し風邪っぽいことをヴァレリアが心配したせいだ。  一応リダは断った。 「わたしは大丈夫です、お姉さま」 「だめよ、悪化したらどうするの? これは狩猟会に誘ってしまったわたしの責任よ。いい子だからこれ以上心配させないで、リダ」  姉は優しくも強引にリダの手を取り、ベッドへと導いた。  そこまでされると本当に体調が悪くなってきた気もして、リダはおとなしくベッドに入った。  ヴァレリアは侍女にまかせず、みずからリダに毛布をかけ、髪をなでた。 「ゆっくり休むのよ」  ヴァレリアは部屋を出ていき、リダはひとりになった。  そうなるとつい考えてしまうのは、狩猟会のことだ。 (……クローディス殿下はわたしをご存じだった……そして自分も似非者だとおっしゃった……わたしと話したい、と)  同じ似非者を自称しているとはいえ、自分のような者が王子と親しくなるわけにはいかないと、あのときリダは思った。  だがクローディスの楽しげな両眼に催促されて、リダはかすかながらもうなずいてしまった。 (王子が魔力を持たないなんて、本当にそんなことがあるのかしら……)  リダが小さな吐息をこぼして寝返りを打ったとき、あわてふためいた侍女たちが駆けこんできた。  しかもその直後、母までもが入ってきた。  滅多にないことに驚いて、リダはベッドから滑り出た。
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