2 うたたねのあとで

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 訪問に際し、クローディスはきちんとリダのことを調べてくれたのだろう。  それが自分の名だともちろん知ってはいたが、いつも略称のリダと呼ばれて、誰かの口から聞いたことはこれが初めてだ。  自分とは思えない居心地の悪さと、だがそれと同時になんだか誇らしいような背中が伸びるような、これまで感じたことのない気持ちになる。  その間にクローディスは母を送り出し、リダに椅子を勧めた。 「きみのうわさは聞いていたよ。狩猟会で会えてうれしかった。そんなきみがどう思うか、聞いてみたくてね」  クローディスは楽しげに、連れてきた一団を示した。  男女ともに色あざやかで派手な衣装だが、どこか安っぽい。 (平民だわ)  ヴァレリアの言葉を思い出す。  だが、なぜクローディスは彼らを連れてきたのだろう。  そしてリダに何を聞きたいのだろう。  いぶかしがるリダをおもしろそうに眺めながら、クローディスも別の椅子に座った。 「やってくれ」  応接間の中央に一組の男女が進み出て、ほかの者たちは楽器を取り出した。  そして音楽とダンスが始まった。  リダは目をみはった。 (舞踏会とはこんな感じのものなのかしら)
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