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「そうね、そうなのかもしれないわ。わたしの妹を一時の退屈しのぎに使うなんて、どこまで失礼な方なのかしら!」
ヴァレリアは不快そうに眉をひそめた。
そんな姉に、リダはおそるおそる申し出た。
「お姉さま、ごめんなさい、少し横にならせてもいいですか? なんだか頭が重くて」
「まあリダ! 大変、きっと無理をしたのね。もちろんよ、さ、いらっしゃい」
ひとりで行けると断っても、ヴァレリアは抱きかかえてベッドまで連れていってくれた。
ひどくなっていく鈍い頭痛に耐えながら、リダは横になった。
姉が髪をなでてくれる。
「リダ、何も心配しないで、わたしにまかせて。あなたはわたしの世界で一番かわいい妹なのだもの」
頬の上に、光と影の美しい円舞を感じる。
ヴァレリアが魔力を使って慰めてくれている。
リダは礼と笑顔を返そうとしたが、瞼すら開けられないほどの倦怠感に襲われて何もできなかった。
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