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リダは生まれて初めて姉の手を振りはらいたくなった。
自分のことを決めつけられて指示される違和感に、先ほど感じた怒りがさらに強まった。
(わたしは、休みたくなんてない!)
ではしたいことはなんだろう──答えは、靄がかかった頭でもすぐにわかった。
それを実現させるためにしなければいけないことも。
リダはこくりと小さく喉を鳴らした。
「──本当に大丈夫よ、お姉さま。それより、お願いがあるの」
そう言って、微笑を作る。
ヴァレリアがリダに強いるかわいい妹らしく、けなげに、そしてはにかんで。
「もちろんよ。なあに、リダ?」
「王宮は、あの東翼宮よりももっとすばらしい場所なのでしょう? だからわたし……わたしも、大舞踏会に行くことはできない?」
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