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 さて、それ以降、頭髪検査で『不合格』になり、髪を黒くしなければならない生徒が出ると、私が理科準備室で髪染めをするという『闇のルート』ができてしまった。  仕掛人は、山木先生だ。生徒によっては、私に染めてほしいなどと言ってくることもあった。私も染め方を覚えて、髪を洗ったり、ドライヤーをかけたりすることが、楽しくなってしまった。教員より、美容師の方が向いていたのかもしれない。  そしていつしか、理科準備室は『バーバーアカバ』と呼ばれるようになった。  あまり嬉しくないけど。  一つだけ嬉しいのは、小林君が頭髪検査の時は、ちゃんと黒い頭髪で登校して、『不合格』になることがなくなったことかな。  もちろん、3年1組の生徒は、全員無事卒業した。やれやれ。 おしまい
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