政略結婚

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「うん。」 「お酒弱いの?」 「一滴も飲まない。」 えっ⁉まさか! 私は盃を持つ手が震えた。 反対に私は、お酒を飲まなきゃ生きていけない。 いわゆる酒豪だ。 そんな事も知らずに、結婚したのか! はわわ。 結婚したら、旦那さんとお酒を飲みながら、毎日乱舞する日を夢見ていたのに! 「では、指輪の交換です。」 目の前に指輪が出て来た。 圭也さんが、私の左の薬指に、指輪をはめる。 「では、新婦さん。新郎さんに指輪を。」 「は、はい。」 私は新郎の指輪を持った。 これを圭也さんにはめれば、結婚は成立してしまう。 息を飲んだ。 いや、最悪結婚届を出すまでは、結婚は成立しない。 結婚式だけ挙げて、結婚届を出さない? そんな最低な事が、頭の中に浮かんだ。 そもそも1か月という短い期間で、一生の伴侶を決めようなんて、馬鹿げていた。 「紗良さん。」 圭也さんに呼ばれ、体がビクッとなった。
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