波乱の幕開け

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「……私達、ちょっとした話もできないの?」 「そうじゃないけど、俺、疲れてるんだ。分かるでしょ。事件抱えて、今の時間まで仕事してたんだよ。」 「分かるよ!」 つい大声出してしまった。 分かるよ、疲れている事ぐらい。 でも、私の事は、どうなるの? 「私達、普通の夫婦と違うよね。」 「どこいら辺りが?」 「新婚旅行行かなかったり、一緒にいる時間も少なかったり。」 「それは、ごめん。」 圭也さんは私を引き寄せると、おでこにキスしてくれた。 私の目には、涙があふれた。 私、多くの事望んでいるかな。 もっと圭也さんと一緒にいたいって、我儘かな。 「圭也さんは、何の為に結婚したの?」 「それは……紗良とずっと一緒にいたくて。」 「私もだよ。寂しくなる為に、結婚したんじゃないよ。」 涙が零れて、仕方なかった。
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