幸せとは

1/10
前へ
/80ページ
次へ

幸せとは

「じゃあ、ご馳走様でした。」 3人は、ご飯をたらふく食べて、帰って行った。 その中の一人、佐藤さんは私をちらっと見て、目が合うとわざとふいっと、視線を反らした。 嫌われた? あんなにご飯、食べさせたのに? 「一条さん、お休みなさい。」 「ああ、お休み。」 頭を下げて玄関を閉めた3人。 「はあー。参った参った。」 圭也さんは、疲れたように背伸びをした。 「圭也さんは、ただあの3人と、話をしていただけでしょう。」 「そうだな。紗良の方が疲れているな。」 圭也さんは、私の背中を摩ってくれた。 「ビール、まだ残ってる?」 「残っていない。」 「じゃあ、買いに行くか。」 一瞬、キュンとしたけれど、こんな遅い時間に外歩くのも、面倒だし。 疲れているし。 あの3人と出くわすのは、気が進まない。 「ううん。今日はいい。」
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加